[喜望峰 KIBOUHOU : unknown]
4VALVE, COMPENSATING, LACQUER

最近話題の中華人民共和國(以下、中共。臺灣と呼ばれる中華民國とは異なる)製管樂器だが、たうとう4ヴァルヴコンペのモデルが輸入された。國内代理店は、神田に事務所を構へる「喜望峰」。お客さんからの「コンペのユーフォなんかがあったら面白い」といふ聲に應へ、同社のラインナップに加へたとのこと。
氣になるのは、「安からう惡からう」といふ評判。しかし、實際のところ、どのやうな音がするものか、興味津々なのが樂器吹きの性。思へば各社からコンペンセイティングの樂器が發賣されるやうになったのも、割と最近のこと。コンペの新モデルときけば、我慢出來ないのものであらう。ゐても立ってもゐられず、喜望峰さんに取材を申込んだところ、ご快諾を頂き、かうしてご報告するに至りました。喜望峰の中川社長と飯田常務樣、お忙しいところ、お時間を頂き、有難うございました。
開口一番「いや、これでウィルソンやベッソンにも勝てます、などと言ふ氣は全くないんですよ。ただ、手ごろな價格で多くの方に樂器を樂しんで貰ひたいと思ひまして…」との説明を頂く。まさに、膝をポンと叩く思ひだった。

中共製の樂器について、買ひもしない人が「使ひ物にならない樂器を賣りやがって」と吹聴する場面に出くはすのだが、それには、反論しておきたい。考へてもみれば、買った樂器をどのやうに使ふかは、買った人次第。演奏會で使はうが、荒川の土手で吹かうが、人に自慢しようが、壁に飾らうが、大道具として使はうが「このやうに使はなくてはいけない」といふ決まりなどはない。もし、そんな決まりがあったら、かつての少年誌の巻末廣告にあった、「キミもこれで夕日のトランペッター! トランペットセット(サイレンサー、講習ビデオ、曲集付)」「キミもこれでチェッカーズ! アルトサックスセット(講習ビデオ、教則本、曲集付)」「思ひ出の曲を大正琴で 大正琴セット(講習ビデオ、曲集、譜面立付)」なんかが賣れるはずなどなく、この世から消えてゐるはずである。賣れないものは、通販のページには二度と載らないのがこの業界の鉄則。今でも賣れてゐるから、掲載されてゐるのだ。
余談だが、ワタシがユーフォニアムを始めた時、親父が近所の質屋で臺灣製のトランペットを買ってきた。「お前はなんとかニウムやってるけど、ラッパなんだから似たやうなモンだろう」「使はなきゃ、俺が吹くよ。練習すりゃ吹けるんだろ」と言ってのけた。いや、親父が馬鹿なのではない。これは、むしろごく一般的な感覺なのではないかと思ふ。「トランペットで聖者の行進を吹いてみたい」「トロンボーンで笑点みたいにブオブオやってみたい」といふあこがれを持ってゐる人だって少なくはあるまい。
これまで、さうした人が出せるお金で買へる樂器といへば「いかにも安っぽい樂器」であったが、今度のは違ふ。一流メーカーのモデルに引けを取らないフォルムなのである。勿論「音が良くなければ…」という氣持ちもわかる。さういふ人は、一流メーカーの樂器を何台も試奏して、高いお金を拂って「良い音のする」買へばいいだけだ。誰でも彼でも「いい音のする樂器を買ふこと」が目的ではない。パチンコ一回負けるぐらゐの金額で、あこがれの(ただし本氣でやるかどうかはわからない)トランペットやトロンボーンが買へるものなら、それにお金を拂ふのもよいではありませんか。胸に手を當てて考へてみませう。誰だって、どこかで夢を買ってはゐませんかねぇ。


といふことで、このやうな方にお薦め。當方でもお取次致します! 詳しくはこちらへ
| ・珍しい樂器を自慢したい人(コレクターです)。 ・他の樂器をやってゐて、ユーフォに憧れてゐる人。 ・コンペといふシステムの仕組みを體感したい人(コンペとしての機能は十分です)。 ・とりあえずはユーフォの音が出る樂器が欲しい人。 ・よくわからないけど、ユーフォの形や音が好きなので、そばに置いておきたい人。 |
同時に、このやうな方にはお薦め出來ない。檢當するだけ、時間の無駄。
| ・100圓ショップで「このノコギリ、直ぐ歯が折れちゃって困るよ」とか「このステンレス錆が早いよ」とかクレームつける人。 ・音程とか、バランスが整ってゐる樂器こそがいい樂器だと思ってゐる人。 ・管の接合は眞直ぐ、管の平衡は保たれてゐる、ラッカーやメッキは均等、管やピストン・ロータリーの本體やシリンダー部分・ヴァルヴのトンネル部分は眞圓、さういったことは當然と思ってゐる人。(實はアメリカやイギリスの樂器だって、そんなのは少ない) ・買ふ氣もないのに、やたら他のメーカーの性能と比較したがる人(ただのひやかし)。 ・自分に合はない樂器だったら素直に諦めようとは思へない人。 ・○○先生や○○先輩から「その楽器は良くない」と言はれたら、たちどころにやる氣をなくす人。 |
produced by "PROJECT EUPHONIUM"
Hidekazu Okayama
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