top of page

ADAMS - EUPHONIUM

オランダの管打楽器工房、アダムスのカスタムメイド・ユーフォニアムです。既に M.トロップマン氏、D.ワーデン氏、F.デッドス氏など、欧米の多くの奏者が使用しており、日本では早くも阿部竜之介氏が使用しています。

 

・一本一本丁寧にハンド・メイド。

・支柱を出来る限り少なくし、接地面を小さくすることによって、レスポンスを大幅に向上。

(第4ピストンのストッパーもありません!)

・奏者の好みに合わせて、多彩なオプションが選択可能。

・マウスピースとレシーバーのギャップを調整する新機能。

(副次的な機能として、マウスパイプの長さを調整することができます)

 

という、従来のユーフォニアムとは大きく異なったモデルです。

 

スーパー・プロフェッショナル・インストゥルメントとして

待ちに待った ADAMS の特注モデルが届いてから、早速何人かのプロ奏者の方にご協力頂きまして、単独、または吹奏楽合奏の中で長時間にわたって試奏して頂きました。差し障りが あるといけませんので、お名前を掲載するのは控えさせて頂きますが、お忙しいところお時間を下さり、誠に有り難うございました。

 

さて、その反響ですが、皆様口をそろえて

 

「音の立ち上がりが非常によく、反応が早い」
「ppでも音が痩せない」
「高音域から低音域まで、吹き方を変えずにスムーズに演奏できる」
「速いフレーズでも音がつぶれずに、一つ一つの音がはっきり聞こえる」

 

そして

 

「これは、すごい!」

 

と仰っていました。

 

プロの方でも普段は手こずるというフレーズが、ADAMS に持替えたとたんに難なく演奏されていくのを目の当たりにしまして、こちらも終始驚きの連続でしたが、誰よりも驚いておられたのはご本人だったようです。

 

これまでのユーフォニアムが抱えていた諸問題(これはもうこういうものと諦めていた部分、あるいは自分には実力がないのではないかという懸念になっていた部分)が見事にクリアになり、飛躍的に音楽表現そのものに集中していける、プロフェッショナルのインストゥルメントであることが確認できました。

 

こういう楽器が世の中に現れたことは、誠に喜ぶべき事だと思います。そしてこのような素晴しい楽器を正式にお取り次ぎすることができ、感慨無量です。是非多くの方に使って頂き、プロはプロの、アマテュアはアマテュアのより豊かなミュージックライフが育まれることを願わずにはおれません。試奏後しばらくして、「この楽器が忘れられない」と、図らずもお申込みを頂けたのは、何よりでした。

 

「楽器を吹く楽しみ」から「音楽を奏でる楽しみ」へ

自分自身で試奏して、またプロ奏者の方々に試奏して頂いて、アマテュアのユーフォニアム奏者の楽器選びについて色々と考えさせられるところがありました。

 

ユーフォニアムという、世間にはほとんど知られておらず、しかも大変に高額な楽器を購入する場合、「先生が選んだものを買う」というケースは別として、「ベッソンのこの音色」「ウィルソンのこの音色」という風に、まずは音色や響きの好き嫌いでブランドを選ぶケースが多いように思います。そこに「音程」「ダイナミクス」などのコントロール加減や、総合的な吹きやすさ(発音や音抜けなど)などを加味して最終決定していき、もし音色に特にこだわりがなければ、コントロールのしやすい「ヤマハ」を選択するというのが、大体のパターンかと思うのです。

 

ところが、ADAMS を吹いていますと、ベッソンやウィルソンのような「ああ、この響きだ」というものを感じません。それなのに響きに不満がなく、間違いなくユーフォニアムの「よい響き」がするのです。

 

そして、レスポンスの良さに驚くはずです。まず、発音が早く、クリアです。このためにほんの少し早くタイミングを取る癖がついている人は、かなり動揺するのではないかと思います。

 

さらに、きちんと息を入れて、フィンガリングのタイミングさえ合っていれば、一つ一つの音が楽に鳴り、出来ないと思っていた細かい音符や跳躍のフレーズも、コントロールが可能なのだ、ということがわかるはずです。これまで「これみよがし」にエアやリップをコントロールして、「吹けているような感じ」にしてきた方は、今までの苦労は一体何だったのかと思うかもしれません。音程やダイナミクスのコントロール、フレージングが思いのままになっていく快感は、「豊かな音色主義」に拘泥せずに、「では何をどう表現するか」という新たな(しかし音楽として本質的な)欲求を生み出すに違いないでしょう。

 

どうも私達はこれまでユーフォニアムの楽器としての機動的な問題点を、「豊かな音色」と引き替えにごまかしてきたような気がしてなりません。速いフレーズがぎこちなかったとしても、跳躍が無理矢理に繋げられていたとしても、指をバタバタ動かし、吹き込んで無理に楽器を鳴らして、なんとなく凄いことをやっているやうな気にさせれば(なれば)それでいいのじゃないかという、そんな甘えをADAMSのユーフォニアムは吹き飛ばし、新しい一歩に光をもたらします。

 

 

当初、どちらかというとプロフェッショナル向けのインストゥルメントという印象を持っていましたが、「楽器を吹く楽しみ」から「音楽を奏でる楽しみ」を見いだすことのできる楽器であることに気づいてからは、むしろ心あるアマテュアに大いに勧めたい楽器だとも思うようになりました。

bottom of page