阿部 竜之介氏に試奏していただきました

2015.02.13

プロ・ユーフォニアム奏者で、大阪交響楽団首席トロンボーン奏者の阿部竜之介氏に、AMUSE のユーフォニアム AME-512SBT を試奏して頂きました。貴重なお時間を頂戴し、有り難うございました。

​

「以前から気になっていた AMUSE の Euphonium、先日ついに試奏する機会を得ました。

4番ピストンの角度は「急だなぁ（横向きに）」と見たときに思いましたが、構えてみた時や吹いているときに、違和感は全くありませんでした。これは、構えた時の楽器の角度の影響（マウスパイプの角度の影響も大きいと思います）を受けると思うのですが、全く違和感は感じなかったので、とてもバランスはいいのだと思います。

メイン・チューニングスライドにトリガーが付いているのもあって、本体重量はずっしりと感じました。しかし、これは僕が使っている楽器（ADAMS）が軽いからでしょう。きっと他のメーカーの主なモデルと変わらないと思います。」

■　音程

「さて、試奏をしての内容ですが、僕が想像していたものよりよかったです。最近の楽器は、どの（主要）メーカーのどのモデルも音程はよく、とてもバランスのいい楽器ばかりだと僕は個人的に思っています（専門に吹く Euphonium と Trombone に限りますが）。

AMUSE の Euphonium も、それらと同じように音程はとてもよかったです。正直、もう少しばらつきがあるのかと思っていましたが、他のメーカーに劣らないものを持っています。

他のメーカーのものもそうなのですが、メーカーによって傾向（クセ）はあって、それはAMUSEにもあります。しかし、それがわかればもうあとは自由に扱えるのではないかと思います。慎重にすべての音階を使って音程の確認をしていきましたが、とてもよかったですよ！」

■　響き

「音（音色や鳴り）に関しては、僕は個人的にとっても驚きました！！　これは、僕が試奏前に持っていた予想や期待をはるかに超えましたね。いい音にもいろいろとありますが、よく響きます！

特に僕は低音域（の音色）を気に入りました！　吹き心地もすごくいいです。吹きにくい音域もなく、いい意味で「普通に」演奏できます。「高い音がキツい」とか「低音域が鳴りにくい」などということもありませんでしたよ。

あえていうとすれば、僕が吹いた楽器（1台しか試奏していません）は1番ピストンの音がまだ鳴り（響き）慣れていない感じがありましたが、それは新品の楽器にはよくあることですね。この楽器に関しては、1番ピストンだけでの音をこれから少し重点的にロングトーンなどをしていくといいと思います。毎日吹くのであれば、1週間もすればいい状態になると思います。」

■　価格

「このような状態の楽器が新品で約30万円。これには本当に驚きです！！

これから吹奏楽を中心にいろいろな曲を演奏していくのであれば、僕はコンペンセイティング・システムは必要だと思っています（もちろんソロを演奏する場合も）。それがあると、低音域の音色や安定感が変わってくるでしょう。

コンペンセイティング・システムを持っている楽器、しかもメイン・チューニングスライドにトリガーが付いている楽器がこの値段で手に入るのは、本当にいいと思います。」

Euphonium を買うというのはものすごく大きな買い物で大変なことです。こういう比較的手頃な値段で購入でき、どのような状況でも使える、さらに音程もよくてよく響く楽器が日本で購入できるというのは、素晴らしいことですね。

AMUSEに関しては、中国で作られているということで根拠はないけど不安に感じるという方もいると思います。ぜひ一度試奏をしてみて決めてください。」

■　最後に

「演奏する人間にとっての喜びは、いい音楽をなるべく少ない苦労で演奏することだと思います。ブランド・ネームにこだわる人はそれも演奏する上での喜び、幸福の一種だと僕は思うのでそれでいいのですが、ブランド・ネームに特にこだわりのない方は、根拠のない先入観でいい機会を逃すようなことをしないようにしてくださいね。

AMUSE Euphoniumは、きっとあなたの演奏活動をより楽しいものにしてくれると思います。

ぜひ、いい音楽を作るのに適した楽器を手にして、幸せな演奏人生を過ごしましょう！」（阿部氏談）

【後日談】

試奏の後、ご指導先の吹奏楽団に AME-512SBT をご紹介下さり、無事に納品することができました。重ね重ね、本当に有り難うございました。